広がる1on1ミーティング
言葉としてはすっかり普及した感のある「1on1ミーティング」。ヤフー株式会社の取り組みが話題となって一気に広がりました。「上司部下」の定期的な面談を指しますが、その実態は企業によって大きく異なります。
部下へのコーチングを主体とした対話を目的としているケースもあれば、業績目標に対するパフォーマンスマネジメント、または詰める(追い詰める)場になっていることも。一般的には、
上司から部下へのコーチングを主体とした対話により、部下の能力開発を促進させ、ミッション遂行を支援する
というのが今のトレンドでしょう。
機能しないケース
そんな1on1も、
何となく継続しているものの、実は上司部下お互いが効果に疑問を持っている
という話を耳にします。
これ意味あるのかな
部下にもっと本音で話してほしいな
上司の前で下手なこと言えないな
など、言葉にはしないものの、モヤモヤを抱えている状態です。
単なる報告・相談・確認の時間であれば良いのかも知れませんが、対話の時間としては効果が限定的
となってしまいます。
テクニックの前にお互いの前提を一致させること
このようなときは、
コミュニケーションのテクニックよりもお互いの前提を一致させることが先決です。
1on1に限らず、会話・対話・広義の意味でのコミュニケーションがうまくいくかどうかは、この3つの前提を常にウォッチできるていることが重要です。
「今、何を話す時間なのか」
「相手はどんな前提で話しているのか」
「自分はどんな前提で話したいのか」
噛み合わない会話、まとまらない散漫な会議では結構な確率で、参加者がこの3つの観点でバラバラな認識を持っています。
1on1が機能していないなと感じたら、
「この1on1は何を話す時間なのか」
「部下にはどのようなスタンスで、どんな話をしてもらいたいのか」
「上司は部下が話しやすいスタンスになっているのか」
これらについて、まずは明確に言葉に出してお互いの認識をすり合わせましょう。
前提か噛み合うことで、これまでとは違った質感の時間を過ごすことができます。
著者プロフィール
佐藤 春幸(さとう はるゆき)
プロコーチと(株)セイムペイジ人事責任者のパラレルキャリア。コーチング・組織開発など、変化の渦中にある人と企業を支援。
米国CTI認定CPCC(プロフェッショナル・コーチ)