部下との関係性を嘆く前に指示の仕方を見直す

 

巷に溢れる「1on1」や部下との「関係性」に触れた話

マネジメントのトレンドが「統制型」から「フラット型」に移り、

 

対話重視の1on1ミーティング部下との関係性をどう高めるか

 

といったテーマに触れる機会が増えてきました。Googleの社内調査で、「心理的安全性」が生産性に与える影響について明らかになったこともこのトレンドに拍車をかけていると思われます。

 

一方で、特に経験の浅いマネージャーが

 

部下との「関係性」に囚われ過ぎて苦労しているケース

 

も見受けられます。部下サイドの声を聞いてみると

 

「指示の曖昧さ」

 

が、上司の期待とのズレや部下自身のストレスにつながっていることも。関係性のせいにする前に、指示の出し方・指示の曖昧さをチェックしてみることをお勧めします。

 

曖昧さがプラスに働く時
指示の曖昧さには時と場合により良し悪しがあります。プラスに働くのはどんな時でしょうか。それは、
自走型かつ信頼できる部下に指示を出す時
です。
このタイプの部下は、おそらく「課題」と「納期」を提示すれば解決に向けて勝手に動いてくれるでしょう。逆に方法・手段まで決められることにストレスを覚えることもあります。
 
具体的なやり方は「提案してほしい」というスタンス
で始めるくらいが良いかも知れません。
曖昧さがマイナスに働く時
逆に指示の曖昧さがマイナスに働くのは、前述の逆パターン、

受け身の部下、または自走型でも信頼の置けない部下に指示を出すとき

 

です。

特に前者の場合、

 

部下はどのように動いていいかわからず、また質問することもできずストレスを感じます。

 

上司への信頼も生まれず、関係性は悪化し、負のスパイラルにはまることでしょう。

上司が遠慮しているとこのようなケースがよく起こります。基本的なことですが、

 

5W2H

・When(いつ)

・Where(どこで)

・Who(誰が)

・What(何を)

・Why(なぜ)

・How(どうやって)

・How much/many(どのくらい)

 

これらの中で必要な情報を伝え、

 

部下にも確認で復唱させる

 

ことでお互いの認識もズレが無くなります。

 

明確・具体的な指示は信頼関係を高める
部下にとって
 
「自分が何を求められているのか、わからない状態」
は大きなストレスです。指示を明確にすることは、期待を明確にすることであり、
「この上司は頼れる・ついて行こう」という信頼関係につながります。
 
指示を具体化することが難しければ、
あなたの問題意識を伝え、部下のアイデアをもらいながら一緒に明確化する
 
のも手でしょう。
組織において一定の気遣い・配慮は必要ですが、
 
余計な遠慮は誰も徳をしません。
部下もあなた自身も。この機会にご自身のマネジメントを「指示の明確性・具体性」の観点で振り返ってみてはいかがでしょうか。


著者プロフィール

佐藤 春幸(さとう はるゆき)

プロコーチと(株)セイムペイジ人事責任者のパラレルキャリア。コーチング・組織開発など、変化の渦中にある人と企業を支援。

米国CTI認定CPCC(プロフェッショナル・コーチ)