
1つの誤解
経営者や人事を中心に話題となっている「ティール組織」。
「権限委譲」や「フラット型組織」といった点にフォーカスされがちですが、それは枝葉の話に過ぎません。
本質は、組織を1つの「生命体」と位置付け、「あたかも生物のように、進化し続ける仕組みを組織構造に内包している」点です。
先日あるワークショップに参加してきました。主催は数々の組織開発プロジェクトを手がけるコーチで役者の藤井宏次さん。
正確には、ティール組織の具体的な形態の1つである「ホラクラシー組織」について、彼がオランダのトレーニングプログラムで学んできた内容・気付きを惜しげもなく披露してくれたものです。
定義うんぬんは書籍など読んでいただければと思いますが、特に印象に残ったのは、、、
(1)人よりも構造にフォーカスしている
(2)「違和感」が最大の経営資源
という点です。
それぞれ密接につながっていて、人事経験が長い私なりの言葉に言い換えると、
「組織診断機能」と「改善の意思決定機能」が「予め」組み込まれた組織構造
となるでしょうか。
「違和感」が経営資源⇨進化の源泉
これまでの組織では、違和感(うまくいっていないことなど、何らかのアラート)が「出ないように」しがちですが、
「組織が進化し続けるために」日常的にどんどん出す、
それによって各自の役割定義を日常的に変えていく、
それにより常に進化させていくというものです。
・一人ひとりが仕事で感じる違和感が、進化の源泉になる
・だからどんどん吸い上げる
・しかも上の人任せではなく一人ひとりが権限と責任を持って遂行し
・組織全体が1つの生命体として進化していく
・そのプロセスが明確に定義され、遵守されている
使えるのか、使えないのか?
手法だけに目を奪われると、
「うちの会社では無理だな」
といったティール組織(ホラクラシー組織)の是非を問うだけの
何も生み出さない議論になりますが、
「進化し続ける生命体のような仕組みを組織にどう内包するか」
という観点で考えれば、あなたが所属する組織でも、その組織独自のやり方があるかも知れません。
おそらく私たち自身の進化も必要になる考え方です。
あなたには/あなたの組織ではどんなことができそうでしょうか?
ぜひ色んな方と意見交換したいなと思います。
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著者プロフィール

佐藤 春幸(さとう はるゆき)
プロコーチと(株)セイムペイジ人事責任者のパラレルキャリア。コーチング・組織開発など、変化の渦中にある人と企業を支援。
米国CTI認定CPCC(プロフェッショナル・コーチ)